
年忌法要では、決まった年に故人さまを偲ぶ法要を執り行います。年忌法要のひとつである「三回忌」では、どのような準備が必要なのでしょうか? 今回は、三回忌の概要や行う意味、整えるべき準備について解説します。おさえておきたいマナーも解説しますので、あわせて参考にしてみてください。
三回忌とは
三回忌とは、故人が亡くなってから満2年目(翌々年)に執り行う法要のことをいいます。
年忌法要は、命日から一年後の一周忌、その後の三回忌、七回忌、十三回忌と続きます。「周」「回」と、異なる漢字があてられていることがポイントです。「◯回忌」は、亡くなった日を含めて数えるため、亡くなってから2年後が三回忌、6年後が七回忌、12年後が十三回忌となります。
三回忌の重要性
一周忌の次に執り行う三回忌は、じつは仏教の世界観において重要な節目を示しています。
仏教では、人が亡くなったのちは7日ごとに生前の行いについて裁きを受け、49日目に生まれ変わる世界が決まるといわれています。審判がくだされる49日目はとくに重要視され、遺族親族が多数集まり、故人がよりよい世界に行けるよう皆で祈るため、四十九日法要が重んじられているのです。
さらに一周忌、三回忌と続く年忌法要では、追加の裁きを受けることができるといわれています。いわば、故人に対する追試です。そのため、三回忌の際も遺族親族が集まり、仏様のご加護を祈り、故人がよりよい処遇を受けられるよう祈るという習わしが定着しました。
現代でも、三回忌までは親戚一同が集まって故人を偲ぶ光景を見かけます。やはり、気持ちの上でも、仏教の世界観にのっとった習わしの上でも、三回忌が大きな節目であると考えられているのでしょう。
ちなみに、神道で故人を弔う「式年祭」は亡くなってからの年数で数えますので、「三年祭」は満3年で行います。三回忌とは違うタイミングになりますから、覚えておきたいところです。
三回忌の施主は誰の役目?
三回忌の施主は、葬儀で喪主であった方が務めるケースが一般的です。具体的には、故人の配偶者や実子などが多いでしょう。
ただし、喪主を務めた方が三回忌を前に亡くなってしまっている場合は、他の遺族の方が施主をすることになります。施主は、法事全般を取り仕切る役割を担っており、事前準備から費用負担・当日の挨拶・後日の香典返しなど行わなければならないことがたくさんあるため、遺族の間で前もって話し合っておくとよいでしょう。故人と近しい関係性の遺族が務めるのが基本です。
三回忌以外の年忌法要は?
年忌法要は亡くなった年を含めて数えますので、2年後に「三回忌」、6年後に「七回忌」を営みます。三回忌までは親族以外の親しい方も含めて招待することもありますが、七回忌以降は親族のみで営まれることが多いようです。
また、亡くなった日は「月命日」、亡くなった月日は「祥月命日」と呼びます。この「祥月命日」に年忌法要がおこなわれますが、最近は出席者の都合に合わせて祥月命日まえの「土日」などに行われることが多いようです。
三回忌をはじめとしたおもな年忌法要や具体的なマナーについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
三回忌法要の流れ
仏教の場合、一般的な三回忌法要は以下のような流れで進められます。地域や宗派によって儀式の内容や順序が違うこともありますので、お住まいの地域の方やご家族・ご親族の方に確認しながら段取りを決めましょう。
①僧侶入場
開始時間を迎えると、僧侶が入場し席につきます。参列者は開始時間までに着席しておきましょう。僧侶に近い席は、施主や家族など、故人と血縁関係の近い方が着くのが一般的です。
②施主の挨拶
僧侶が着席したら、施主から挨拶が行われます。参列者への謝意を伝え、誰の三回忌法要を行うか、当日の流れなどを手短に説明するのが一般的です。
③読経・焼香
読経が始まってしばらくすると、参列者は施主など血縁関係の近い方から順に焼香を行います。焼香を始めるタイミングや、合掌するタイミングなどは僧侶が案内することも多いので、それに従いましょう。焼香の順番に迷ったら周囲の様子を見ておき、促されてから席を離れるようにしましょう。
④僧侶による法話
読経と参加者全員の焼香が終わると、僧侶から、仏教の教えに基づいた話を一般の方向けに分かりやすく説く「法話」があります。この法話が終わると、僧侶は退場するのが一般的です。
⑤施主による終了の挨拶
法要が終わるにあたり、再度施主からの挨拶が行われます。寺院への謝意、参列者への謝意、会食会場への移動の案内、または会食に代わるお礼品お渡しの案内などを手短に述べるのが一般的です。
⑥会食
三回忌の法要後は「お斎(おとき)」と呼ばれる会食が行われます。法事の後に行われる食事会のことをお斎(おとき)といいます。僧侶や参列者に対する感謝の気持ちを伝えるために、施主によって設けられます。お斎は故人を偲びながら思い出を語り合う大切な時間です。
故人の供養にもなるといわれている「お斎(おとき)」。服装や会場選び、席順のマナーなどもしっかりおさえておくと、参列者のみなさんも安心できますね。
三回忌法要でおこなうべき準備
日時・場所を決める
本来は祥月(しょうつき)命日に行うものですが、近年は参列者のスケジュールを考慮して、祥月命日に近い休日などに行うのが一般的になっています。施主や家族の都合と併せて、多くの方が参加できそうな日時・場所を選んでおきましょう。
参加人数を把握する
親族や近しい方へは早めに連絡を取り、参加意思を確認しましょう。日時・場所を決める前に連絡して都合を聞いてもよいですが、調整が難しくなる可能性もあるので様子をみて判断しましょう。
会食の手配を実施する
以前は精進料理が主流でしたが、近年では懐石料理や仕出し弁当など、より多彩な料理が提供されるようになってきました。会場も、自宅や葬儀会場、料亭やレストランなど、さまざまなスタイルで行われています。こちらの記事を参考にしてみてください。
お布施の準備を行う
三回忌のお布施の相場は1~5万円程度ともいわれますが、地域や宗派、寺院とのお付き合いの深さによっても異なります。迷ったら事情に詳しい家族・親戚に相談するか、寺院や僧侶に問い合わせましょう。
引出物・返礼品を準備する
三回忌に参列された方には、いただく御仏前から会食費用と引出物を足した額を差し引いた7~8割程度の額で引出物を用意します。
引出物の金額の相場は、いただいた額の1/2〜1/3程度といわれています。ですが、年忌にお招きした方には会食と合わせてその場でお渡しするので、お供えの額によらず2,000〜5,000円程度のお品を用意することが多いようです。
年忌のマナーとして、お返しののしの種類を使い分けることがあります。一周忌までは黒白か双銀の結び切り、三回忌以降は青白か黄白の結び切りの水引を用います。表書きは、「志」または「粗供養」とします。
不祝儀であることを考えて、消耗品や食べ物などあとに残らないもの(消え物)がよいとされています。洗剤や石鹸(せっけん)、お茶や海苔などの乾物、お菓子などが一般的でしょう。また、重い物やかさばるもの、持ちづらいものを避けるため、最近では、お渡しする方が好きな商品を選べるカタログギフトなども引出物としても重宝されています。
三回忌法要に参加する際のマナー
案内状の返事は速やかに出す
法要に誰が、どのくらいの人数参列するかは、施主側にとって重要な情報です。三回忌法要の案内状が届いたら、返信はできるだけ早く出すようにしましょう。家族で参列する場合は人数もきちんと伝えます。
服装
施主・参列者ともに、三回忌までは「略喪服」で参列するのが一般的なマナーとされています。 略喪服は、男性であればブラック・グレー・濃紺のスーツ、女性であれば黒・グレー・紺のワンピースやアンサンブルなどを想像するとよいでしょう。
お子さまは、学校に上がっていれば制服で参列するのがよいでしょう。制服がない場合や未就学児などは、色味の落ち着いた洋服を選びます。
香典の金額
三回忌法要における香典の相場は、親族の場合は1〜5万円、親族以外の場合は5,000〜1万円といわれます。死や苦を連想させる「4」と「9」、縁の切れ目を連想させる「割り切れる数字」などは縁起がよくないとされていますので、避けるようにしましょう。
香典袋の書き方・渡し方
三回忌での香典袋は、「御仏前」「御佛前」「御香典」などの表書きが一般的です。ただしこれらはすべて仏式での習わしで、神道の三年祭などでは「御神前」「御玉串料」「御榊料」などとなりますので注意が必要です。水引の上側に表書き、下側中央に参列者の名をフルネームで書きます。

三回忌のお返しでおすすめのカタログギフト3選
施主の方は法事・法要引出物の準備を早めに進めよう
三回忌の施主は、寺院との打ち合わせや会食の準備と並行して、法事・法要の引出物や返礼品も事前に準備しておく必要があります。
リンベルでは法事・法要の引出物に適したカタログギフトを数多く取り揃えています。また、指定フォーマットのエクセルでご注文内容を入力することで、かんたんにおまとめ注文をいただくことも可能ですので、ぜひご利用ください。